観世青年研究能

公演日時:2019/08/18(日・SUN) 13:00~
主催:京都観世会
演目:
(能)氷室      樹下千
(狂言)棒縛     山下守之
           鈴木実
(能)熊坂      浦田親良
入場料:
一般前売 ¥2,000
一般当日 ¥2,500
学  生 ¥1,500


演目解説

氷室 ひむろ
 亀山院の臣下が、丹波の国の氷室山に着くと、氷室の守の老人が現れる。臣下が 年々捧げられる氷を在所で見るのは初めてであるが、氷の消えないのはなぜかと聞く と、老人は語り始めた。
 昔御狩の野の森に庵があって六月であるというのに寒風が吹いて冬の野に御幸され た様であったので、ご覧になると一人の老人が雪氷を屋の内に貯えていた。翁が氷を 供えたことから奉上が始まったと語り、今宵氷調の祭をご覧に入れようと云うや、山 は昏れて時ならぬ雪が降り、薄氷を踏んで氷室の内に消える。〈中入〉
 夜が更けると天女が楽にひかれて現われ、舞を舞い、氷室の神も室の中から氷を持 って現われ、氷を作り保つ威力を示し、氷を守護して都へ送り届ける。

熊坂 くまさか
 旅僧が美濃国、赤坂にさしかかった時、一人の僧に呼び止められる。「今日はさる 者の命日」ゆえ弔ってほしいと言われ、その僧の草庵に案内される。旅僧が持仏堂に 入り勤めを始めようと辺りを見ると仏像などはなく、壁には大長刀、拄杖ではなく鉄 の棒、その他武具がびっしりと置かれている。不審に思い問うと、この辺りは、山 賊・夜盗が出没するので、その時には「ここをば愚僧に任せよ」とて通行人を危機か ら救うのだと言う。そして僧の身ながらあさましいことだなどと語るうち「おやすみ あれやお僧たち、我もまどろまん」と寝室に入るかに見えた。と、今まで居たはずの 庵室は草むらとなり、松の木陰に居たのだった。 〈中入〉
 旅僧は所の者から、ここで討たれた熊坂長範のことを聞き、さては庵主の僧はその 仮の姿であったかと思い、読経し回向する。やがて熊坂長範の亡霊が長刀をかたげて ノッシノッシと現れ、ここで吉次一行を襲ったが、逆に牛若に討たれたことを仕方話 で物語り、また回向を頼み松陰に消えて行く。
 シテ、ワキ同装で現れるのは他に例がない。僧姿の二人が真っ暗な堂の内におり、 あるはずの仏像などなくその壁一面に武具がある。このなんとも不気味な情景が前場 の舞台。
 後場、熊坂長範が仕方話で物語る。はじめは床几に腰掛けて語り、いつしか当時の 映像がオーバーラップする辺りから立って実際に長刀に長刀をつかう。熊坂がくり出 す長刀の先には躍動する牛若が見えなければならない。また単に荒っぽいだけの曲で はなく、中入前やラストシーンでは、どことなく哀愁がただよう。熊坂長範は六十三 歳であった。

出演者紹介
CAST

樹下千
Jyuge Chisato

山下守之
Yamashita Moriyuki

鈴木実
Suzuki Minoru

浦田親良
Urata Chikara