京都観世会一月例会
Regular Performances (January)

公演日時:2026/01/11(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 翁          観世 清和
(能) 高 砂        大江 信行
(狂言)福の神        茂山忠三郎
(能) 胡 蝶        浦田 保浩

(能) 鞍馬天狗       片山 伸吾
      白頭


入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥9,000
一般前売自由席券          ¥7,000
一般当日券  (自由席)      ¥7,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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   ◆例会会員入場券の年間会費◆
特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥85,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥50,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥34,000

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普通会員様と6回会員様はWEBにて事前指定が可能です。(別途料金必要)
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演目解説

おきな
 数ある曲の中で別格とされる『翁』は、能が芸能として整う以前の祖型であり、新年を言祝ぐに最も相応しい神事である。舞台に第一に登場するのは神体の翁面を運ぶ面箱持、それから直面の翁大夫、千歳、三番叟、以下諸役が続く。  〈翁ワタリ〉
 翁大夫は正先に出て深々と一礼し、笛座前に座し、面箱が前に置かれると「とうとうたらり……」と謡い出す。露払役の千歳が颯爽とした「千歳ノ舞」を舞う間に白式尉の面を着けた翁大夫は「坐して居たれども」と謡い、大小前に立って「天拝」「地拝」をし、祝祷の謡の後に荘重な「翁ノ舞」を舞い始める。三節の各終りに「天・地・人」の足拍子を踏み、舞台を一巡すると再び「萬歳楽」と天拝して舞い納める。面を外して面箱に置き、一礼して大夫は千歳と共に幕入りする。   〈翁ガエリ〉
 続いて狂言方の三番叟が走り出て、まず直面で力強い「揉ノ段」を舞う。その後、後見座で黒式尉の面を着けると、面箱持との問答を経て鈴を受け取り、「鈴ノ段」になる。呪術的な舞は最高潮に達したところで終止符が打たれ、舞台は元の張り詰めた静寂に包まれる。面を外した三番叟と面箱持、後見、脇鼓が退場し、地謡が後座から地謡座へ移動し、次の脇能が始まる。

高 砂 たかさご
 九州の阿蘇の宮の神主・友成が京に上る途中、播州高砂の浦に立ち寄る。松の木蔭を清めている老人夫婦に高砂住吉相生の松の謂われを尋ねると、老人は高砂を『万葉集』、住吉を『古今集』にたとえ、松の寿命が長いことから和歌の道の繁栄を寿ぎ、和歌の繁栄が平和の象徴であることを教える。松の功徳を語るうち、老夫婦は実は相生の松の精であると明かし、先に住吉に行きお待ちしようと言って、舟に乗って沖へ出て行ってしまう。                       〈中入〉
 友成は、高砂の浦人より相生の松のめでたさを更に委しく聞き、浦人の船で高砂より住吉に着くと、和歌の神・住吉明神が現れて泰平の御代を祝福するのだった。

胡 蝶 こちょう
 大和国吉野の奥に住む僧が花の都を見物しようと上京して一条大宮のあたりへやってくる。そこに由緒ありげな古宮があり、その御殿の階段のそばに梅が美しく咲いているので僧が眺めていると、誰も居そうにない家から一人の女性が現れて、この御殿や梅の木について語って聞かせる。僧が女の素性を問うと、実は自分は人間ではなく胡蝶の精だとあかす。そして春、夏、秋と草木の花から花へと戯れる身だが早春の梅花とだけ縁がないのが悲しいので姿を変えておすがりして法華経の功徳を受けて成仏したいと願い、荘子が夢で胡蝶となった故事や光源氏が童に胡蝶の舞をまわせ舟遊びをしたことなどを語る。やがて、もう一度御僧の夢の中でお会いしようと夕空に消えてゆく。                            〈中入〉
 僧が木蔭で仮寝をしていると、夢に胡蝶の精が現れ、法華経の功力によって成仏し梅花と隔てのない間柄となったことを喜び、花に飛びかう胡蝶の舞をみせ、やがて春の夜の明けゆく空に、歌舞菩薩の面影を残して霞にまぎれて去ってゆくのであった。

鞍馬天狗 くらまてんぐ  白頭  しろがしら
 鞍馬山の山伏が花見をするべく西谷に赴く。おりしも東谷の僧が稚児を伴い、西谷に来る。桜の花を見、能力に舞を舞わせて楽しむところに、山伏が入ってくる。座をさまされ、能力は怒り、追い出そうとするが、僧にとどめられ、逆に一同が帰っていく。後には山伏と牛若丸が残る。平家全盛の中で、疎外される牛若丸に山伏は心をかけ、神通力で各地の花を見せる。名を尋ねる牛若に、鞍馬の大天狗であることを告げ、兵法を伝授することを約束して消え失せる。          〈中入〉
 木葉天狗たちが現れ、牛若との武術の稽古に備え、頼りない稽古の様を見せたあと、りりしい出立ちの牛若丸がやってくる。やがて老天狗が威容を現し、兵法を伝え、行く先の守護を約束する。
 世阿弥は稚児を幽玄なものと記した。桜の幽玄、稚児の幽玄、そして山伏と牛若の間に生まれる感情。美しく、しかも力強い部分もある人気曲である。

出演者紹介
CAST

観世 清和
Kanze Kiyokazu
日本能楽会会員

大江 信行
Oe Nobuyuki
日本能楽会会員

茂山忠三郎
Shigeyama Tyuzaburo
日本能楽会会員

浦田 保浩
Urata Yasuhiro
日本能楽会会員

片山 伸吾
Katayama Shingo
日本能楽会会員