能を初めてご覧になる方へ~鑑賞のヒント~

能の始まりは、「お調べ」から始まります。オーケストラでいえばチューニングのような、笛、小鼓、大鼓、太鼓の四つの楽器の音がどこからともなく聴こえてくるのです。お調べに耳を傾け、これから入っていく物語の世界をイメージしながら、静かに気持ちを整えていただきます。

「お調べ」が済むと、囃子方(能の楽器を演奏する)、そして地謡方(物語のベースを謡う、コーラスのような役割)が舞台に登場します。これで物語を始める準備が整います。

多くの演目の場合、まずワキ(僧や勅使といった役の人物)が登場し、物語へと導いてくれます。皆さんは、このワキになったつもりでご覧になるとお話がよくわかるかもしれません。やがてシテ(物語の主人公)が登場するわけですが、その人は、例えばおじいさんや、里の女といった身近な人物として初めは登場します。しかしこれは仮の姿で、源平の戦で活躍した武将の霊であったり、花の精であったりと、本当の姿は後半で明らかになるのです。能の主人公の多くは、その地に残した思いを語り、舞います。

番組(プログラム)には「能」のほかに「狂言」や「仕舞」等もあります。

「狂言」にはクスっと笑えて、気持ちが朗らかになるような温かさがあります。わかりやすい台詞で演じられますので、面白いと思ったら周りを気にせず声を出して笑ってください。その声は演者にも伝わり、舞台と見所(客席)が一体となり、狂言はますます面白くなります。

「仕舞」は、能の一部を謡のみで舞う形式です。紋付袴姿で舞うため「能のデッサン」とも呼ばれます。能の直線的な美しさを最もよく味わえるのが「仕舞」です。

FAQ

■京都観世会館で食事はできますか
客席でのご飲食はご遠慮いただいております。2階には「喫茶・お食事処 五常」がございますので、そちらをご利用ください。1階ロビーにはお飲物の自動販売機がございますのでご利用ください。途中外出をされる場合は、受付にて外出印をお受けください。

■檜書店はいつ開いていますか
金曜日の午前10時から午後1時までと、催会時に開店しております。
※上記時間以外は営業しておりません。

■公演は何時に終わりますか
公演により異なりますので、公演情報のWEBチラシの番組をご覧ください。最後に終演予定として書かれています。ただし、記されている時刻はあくまで予定です。

■チケットを買いたいがどうすればいいですか
チケットの購入方法は、公演により異なります。
京都観世会自主公演では、当ホームページの公演情報からのWEB予約(指定席・自由席)、お電話での予約受付ができます(但し前日まで受付)。
また、各家の定期能なども前日までに京都観世会館へお電話いただけますとご予約可能です。
WEB予約されましたチケットは、セブンイレブンにて発券・お支払いが可能です。電話予約されましたチケットは、京都観世会館にて現金のほか、
各種クレジットカード、電子マネー、QRコード決済にてお支払いいただけます。(一部の公演除く)

■イヤホンガイドや字幕サービスはありますか?
公演により、有料にて字幕タブレットの貸し出しをしています。ただし、タブレットを使用されるお客様はお席が制限されますのでご了承ください。
また、海外からのお客様には、各演目についてペーパーで英語のサマリーをお渡ししております。

■最寄り駅はどこですか
京都市営地下鉄 東西線「東山」駅が最寄り駅です。京都観世会館へはおよそ徒歩7~8分です。その他、京都市バスの停留所も数か所ございます。詳しくは当サイトのアクセスをご参照ください。

■何を着て行けばいいですか
服装は自由です。ラフな格好でお越しいただいても構いません。でも、時には、お着物を召されるなどこういう機会にお洒落にされるのもいいかも知れません。

■託児所はありますか
京都観世会館には託児所を設けておりません。

■駐車場はありますか
京都観世会館有料駐車場(最初の1時間500円、以降30分毎に200円)には約20台駐車できます。
満車の際は近隣のコインパーキングをご利用ください。