京都観世会6月例会
Monthly Performances (June)

公演日時:2021/06/27(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 頼政        古橋 正邦
(狂言)文山賊       野村又三郎
(能) 水無月祓      橋本擴三郎
(能) 土蜘蛛       大江 信行
      黒頭 入違之伝
入場料:
前売券 一般   自由席   ¥6,000
当日券 一般   自由席   ¥6,500
学生券   2階 自由席   ¥3,000

    ***6月例会前売券について***
前売券(一般6,000円・学生2階自由席3,000円)は、5月1日より事務所・
電話・WEBにて、限定数での発売といたします。
なお年間普通会員・6回会員の方は、事前予約無しでご入場いただけます。
※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

演目解説

頼政 よりまさ
 諸国一見の旅僧が宇治に着く。一人の老人がやってきたので名所旧跡を尋ねると、名所を教え、平等院へ案内し「昔、この所で源頼政が扇を敷き自害をなさった。名将の旧跡だからと扇の形に芝を残し、今でも『扇の芝』というのです」と教える。僧が回向をすると、老人は喜び「私は実は頼政の幽霊である」と名乗り消える。〈中入〉
 やがて法体の身に甲冑を帯した老武者・頼政が現れ、回向を頼む。そして宮戦の起り、宇治に陣を構えた模様を語る。また宇治川をはさんでの源平の戦い、中にも平家の田原又太郎が三百余騎で川を押し渡ったため、源氏方は最期の戦を壮絶に行ったことなどを仕方語りに見せる。そして「埋れ木の花咲くこともなかりしに、身のなる果はあはれなりけり」と辞世の歌を詠んで自害したことを述べ、僧に今一度回向を頼み、頼政の霊は扇の芝の草の陰に消えてゆく。

水無月祓 みなづきばらえ
 都の下京あたりに住む者が播州室の津に逗留した時、一人の遊女とねんごろになり、夫婦の約束をかわした。男は都から迎えを出したところ、遊女はもう室の津にはいなかった。男は鴨の明神の夏越の祓に女との再会を願おうと参詣する。道中道づれの男から茅の輪を携えたおもしろい女物狂のことを聞く。鴨の境内では、案のごとくその物狂にあう。彼女は夏越の祓のいわれを説き、輪をくぐってけがれを祓いたまえと、人々にすすめながら舞い遊ぶ。狂女は烏帽子をつけると神の御前に舞い狂う。男はこれが室の津で契った女であるとわかり、彼女を同道して帰途に着くのだった。
土蜘蛛 つちぐも  黒頭   くろがしら  入違之伝   いれちがいのでん
 源頼光に仕える女・胡蝶が典薬寮(公設医療院)の薬を持って病に苦しむ頼光を訪れると、頼光は衰弱が激しい。胡蝶が去るのを見透かしたように僧形の男が現れ、病は自分がなせる術だと言い、頼光めがけて蜘蛛の糸を投げかける。頼光は名刀・膝丸を抜いて切りつけ、男は血を流しながら姿を消す。           〈中入〉
 頼光は駆けつけた独武者に事の次第を語り、膝丸の名を蜘蛛切と改め、独武者は蜘蛛を退治すべく血の跡を追い退出する。              〈ワキ中入〉
 下人が独武者の化生退治のことを語る。独武者たちが蜘蛛の住む古塚に押し寄せ、塚を崩すと土蜘蛛の精が現れ、おびたたしい蜘蛛の糸を投げかけるが、やがて斬り伏せられてしまうのだった。

出演者紹介
CAST

古橋正邦
Furuhashi Masakuni
日本能楽会会員

野村又三郎
Nomura Matasaburo
日本能楽会会員

橋本擴三郎
Hashimoto Kozaburo
日本能楽会会員

大江信行
Oe Nobuyuki
日本能楽会会員