京都観世会3月例会
Monthly Performances (March)

公演日時:2022/03/27(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 絵 馬       橋本 光史
(狂言)酢 薑       小笠原由祠
(能) 隅田川       青木 道喜
(能) 鵺         河村 和貴
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,000
一般前売自由席券          ¥6,000
一般当日券  (自由席)      ¥6,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。


・・・・・・・・・例会会員入場券の年間会費・・・・・・・・・・
普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能になりました。
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特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥75,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥43,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥30,000

演目解説

絵馬 えま
 時の帝に仕える臣下が勅命を受けて伊勢参詣に旅立つ。斎宮に着くと、時は丁度節分に当り、絵馬を掛ける行事があるというので逗留する。そこへ尉と姥が白と黒の絵馬を持って現れ、馬の毛色によって明年の天候を占い、白馬であれば日照りが多く、黒馬であれば雨が多いと判断するのだと言って互いに絵馬を掛け争う。しかし、今年は雨を降らし、日も照ります様にと初めて二つ掛け、人民快楽、国土豊かにと祈る。その後、自分達は伊勢二柱の神が夫婦として現れたのだと明かし、夜明けに神宮にて再会する由言い捨てて消え失せる。                 〈中入〉
 やがて天照大神が天鈿女命、手力雄命を引き連れて現れ、まず自ら荘厳に舞を舞い、続いて岩戸隠れの故事を再現する。
 即ち、悪神を懲らしめるために日神(天照大神)が岩戸に隠れると、高天原は暗闇となる。神々は策を講じ、天鈿女命に岩戸の前で舞いを舞わす。神々が喜びどよめくのを不審に思った日神は、岩戸を少し開いて様子を窺うと、すかさず手力男命が日神を引き出し、世界に光が戻り、平安となった「岩戸隠れの神楽」を再現する。

隅田川 すみだがわ
 旅人が武蔵国・隅田川の渡りに着き、渡守に舟を乞う。その後ろから、これも都よりわが子の行方を尋ねて下ってきた狂女が着く。狂女は「名にし負はばいざ言問はん都鳥我が思ふ人はありやなしや」という『伊勢物語』の歌をひいて、都鳥にわが子の行方を問う。渡守はこの心優しい狂女を舟に乗せ、船中で、去年ここであった話をする。昨年の今日、人買いに連れられてきた子が、疲労の末この河岸で息絶えた。その弔いの大念仏に人々が多く集っているという。実は船中の狂女こそ、その母であった。渡守は母を墓所へ案内し、泣き伏す母に弔いを勧める。母の弔いにひかれるように、子の幽霊が現れる。母は子を抱き取ろうと走り寄るが、幻のように消え去る。あとには塚の上の春草に、川風が渡るばかりであった。
 数多くの物狂能は、男物狂も含めて、すべて探し求める者に再会して終わるが、この一曲のみ悲劇的な結末を迎える。
ぬえ
 旅の僧が都に上ろうと摂津国芦屋の里に着く。里人に宿を頼んで断られ、夜な夜な光るものが出るという州崎の堂に泊る。すると、不思議な怪しい姿の舟人がやって来て、自分の心の闇を弔ってほしいと頼む。どのように見ても人間とは思えないので、僧が名を問うと、源頼政に退治された鵺の亡魂であると名のり、請われるままに、頼政の矢先にかかった有様を物語り、また、うつほ舟に乗り、恐ろしい鳴声を残して、亡鬼は消えてゆく。                        〈中入〉
 僧が回向をしていると、鵺の霊が真の姿を現し、頼政に退治された子細を、仕方話に再現する。ある場面では頼政になり、剣を賜り、和歌を朗詠し、また、鵺になり、射殺(いころ)され、うつほ舟に押しこめられて、淀川に流された有様を語り、昔のごとく海月とともに消えてゆく。
 非体制の敗者の哀感を鵺の運命にこと借りて描いたもの。シテは妖怪ながら、人の心を持った、世阿弥のいう「形鬼心人」の砕動の鬼で、世阿弥が修羅物の作能遍歴ののち、鬼に却来して書いたと考えられる。

出演者紹介
CAST

橋本 光史
Hashimoto Koji
日本能楽会会員

小笠原由祠
Ogasawara Tadashi
日本能楽会会員

青木 道喜
Aoki Michiyoshi
日本能楽会会員

河村 和貴
Kawamura Kazutaka
日本能楽会会員