京都府次世代等古典芸能普及促進公演

井上定期能 普及促進特別公演

公演日時:2022/08/20(土・SAT) 12:45~
主催:井上定期会
演目:
(お話)「能に見る大和の神々」     

      東京医科歯科大学教養部文学分野教授
             木谷真紀子

(素謡)三 輪      吉浪 壽晃
(能) 逆 矛      井上 裕久
      替装束
入場料:
    前売券   ¥3,800
    当日券   ¥4,500
    学生券   ¥2,000
    五枚綴券  ¥17,500
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演目解説

三 輪 み わ
 大和の三輪に住む玄賓僧都(げんぴんそうず)のもとへ、一人の女が仏前に供える樒と水を持って訪れる。女は秋も夜寒になったからと、衣を一枚恵んでほしいと願う。僧都が与えて住みかを聞くと、三輪山の杉のあたりと言って消え失せる。僧都が訪ねると、神木の杉に与えた衣が掛かっており、その裾に神託の和歌が記してあった。やがて巫女の姿を借りた神霊が烏帽子・狩衣姿で現れ、三輪明神にまつわる伝説を物語る。それは、昔、大和に住む女のもとへ毎夜通ってくる男があり、女はその正体を知ろうと男の裾に糸をとじつけ、それを手繰りながら男の跡をつけたところ、この神木に糸が残っていたというものであった。
 神霊はさらに、天の岩戸隠れのときに初めて舞われたという神楽を舞って見せ、三輪の神と伊勢の天照大神とは本体が同一なのだと語る。

 素謡・・・能の謡部分を囃子や狂言を入れずに、紋付・袴にて正座して謡う演出形態。

逆 矛 さかほこ
 朝臣が従者を伴い、参詣のため龍田山に着く。そこへ里の老人と宮人が現われ、朝臣たちを夜祭りに案内し、伊弉諾(いざなぎ)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)が天の浮橋から御矛をさし下ろして国土を創成したという天の逆矛の謂われ、その後滝祭(たきまつり)の明神がその御矛を守護していることを物語る。やがて老人は、自身がその御矛を守護する滝祭明神であると告げて立ち去る。
 夜ふけ、龍田姫とおぼしき天女が現われて舞を奏で、つづいて龍田山から滝祭明神が矛を携えて現われ、伊弉諾・伊弉冉の世、矛をさし下ろして国造りをしたありさまを見せる。