京都観世会12月例会
Monthly Performances (December)

公演日時:2022/12/18(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 和布刈       浦部 幸裕
(狂言)梟         茂山千三郎
(能) 巻 絹       浦田 保浩
      神楽留
(能) 船弁慶       大江 信行
      重前後之替
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,000
一般前売自由席券          ¥6,000
一般当日券  (自由席)      ¥6,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能になりました。
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演目解説

和布刈 めかり
 長門の国早鞆明神では、毎年十二月晦日に和布刈の神事をとり行っていた。この日の寅の刻になると竜神の守護によって波が引き、穏やかになった海に神主が入って水底の和布(食用の海草の総称)を刈り神前に供える。今日はその神祭りの日、夕暮れ時神前に捧げ物をする人影が見える。神主が声をかけると人影は海女と漁翁であると答え、漁翁は昔彦炎出見尊は竜宮の豊玉姫と契って海と陸とは隔てなく交流していたが、姫のお産の時約束を破って尊は姫の姿を覗いたため姫は子を棄てて竜宮に篭ってしまい人間界と竜宮との交通は絶えてしまった。しかし今日の日は神慮によって長門の国と海の通い路も自由になり、海藻も得ることが出来る、と語り、二人は天女と竜神であると正体を明かし、海女は雲に乗り漁翁は波間に姿を消してしまう。〈中入〉  和布刈の神事の時刻になると、松風と合せて空中に音楽が聞こえ、妙なる香が満ちると、天女が現れて舞を舞い、やがて寅の刻になると沖から竜神が現れ海面に穴をあけ、夕潮を退けたので波は屏風を立てた様に左右に別れ海の道が開けたので、神主は松明を振り立て鎌を持って海底に下って和布を刈って帰ると、間もなく潮が満ちてもとの荒海となり竜神は宮へと帰って行った。
巻 絹 まきぎぬ  神楽留  かぐらどめ
 帝の宣旨により熊野権現に千疋の巻絹を奉納することになった。国々より巻絹が集められる中、都よりの奉納分が未だ届かない。その頃、都から遣わされた男はようやく熊野に着き、音無の天神に参っていた。冬梅の香に誘われた男は心中で歌を詠んで手向け、臣下の元に急ぐ。しかし、男は遅参を責められた末、縛められてしまう。そこへ一人の巫女が現れ、その男は音無の天神に歌を手向けた者、すぐに縄を解きなさいと言う。臣下が巫女の言葉を信じないので、試しに男に歌の上の句を問うと「音無にかつ咲き初むる梅の花」と詠じ、すぐさま巫女が「匂はざりせば誰か知るべき」と下の句を継ぐ。心中で詠んだはずの歌が神によって明らかにされたので、巫女は男の縛めを解く。更に巫女は、天竺の婆羅門僧正と行基菩薩の間で交わされた歌を引いて、歌の徳を讃美する。臣下に祝詞の奏上を求められた巫女は、幣を手にして俄に神懸かり、熊野権現を称えて神楽を舞う。全山の神々が乗り移った巫女は激しく舞い狂うが、突然幣を捨てて狂いより覚め、神の上がったことを告げる。
船弁慶 ふなべんけい  重前後之替   おもきぜんごのかえ
 源義経が兄・頼朝の疑いを解かんと弁慶その他の家臣を従え都より摂津国・尼崎の大物浦まで落ちて来たとき、弁慶は静御前が一行に加わっているのを知り、義経をいさめ、同意を得て静の宿を訪ね都へ帰るように伝える。静はこれを弁慶の一存であろうと誤解するが、義経からも帰ることを勧められ、止むなく別れの宴で悲しみつつも再会を信じて舞を舞って一行を慰め、なくなく都へ帰ってゆく。     〈中入〉
 やがて義経は大物浦から出船するが、俄に風向きが変り暴風となって船が荒波に揉まれ始めると、西国で滅びた平家一門の怨霊が現れ、中でも知盛の幽霊が義経を海に沈めようと長刀で切りつけるのを、弁慶は数珠を押し揉んで祈り退け、ついに怨霊は引く汐に流されて消え失せる。

出演者紹介
CAST

浦部 幸裕
Urabe Yukihiro
日本能楽会会員

茂山千三郎
Shigeyama Senzaburo
日本能楽会会員

浦田 保浩
Urata Yasuhiro
日本能楽会会員

大江 信行
Oe Nobuyuki
日本能楽会会員