京都観世会1月例会
Monthly Performances (January)

公演日時:2023/01/08(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 翁          片山九郎右衛門
(能) 高 砂        河村 晴久
(狂言)隠 笠        茂山七五三
(能) 小 塩        観世 清和
(能) 金 札        大江 広祐
入場料: ■ 完売いたしました ■
一般前売指定席券※WEB        ¥8,000
一般前売自由席券          ¥6,000
一般当日券  (自由席)      ¥6,500
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。



・・・・・・・・・例会会員入場券の年間会費・・・・・・・・・・
普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能です。
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特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥75,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥43,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥30,000

演目解説

おきな
 数ある曲の中で別格とされる『翁』は、能が芸能として整う以前の祖型であり、新年を言祝ぐに最も相応しい神事である。舞台に第一に登場するのは神体の翁面を運ぶ面箱持、それから直面の翁大夫、千歳、三番三、以下諸役が続く。  〈翁ワタリ〉
 翁大夫は正先に出て深々と一礼し、笛座前に座し、面箱が前に置かれると「とうとうたらり……」と謡い出す。露払役の千歳が颯爽とした「千歳ノ舞」を舞う間に白式尉の面を着けた翁大夫は「坐して居たれども」と謡い、大小前に立って「天拝」「地拝」をし、祝祷の謡の後に荘重な「翁ノ舞」を舞い始める。三節の各終りに「天・地・人」の足拍子を踏み、舞台を一巡すると再び「萬歳楽」と天拝して舞い納める。面を外して面箱に置き、一礼して大夫は千歳と共に幕入りする。   〈翁ガエリ〉
 続いて狂言方の三番三が走り出て、まず直面で力強い「揉ノ段」を舞う。その後、後見座で黒式尉の面を着けると、面箱持との問答を経て鈴を受け取り、「鈴ノ段」になる。呪術的な舞は最高潮に達したところで終止符が打たれ、舞台は元の張り詰めた静寂に包まれる。面を外した三番三と面箱持、後見、脇鼓が退場し、地謡が後座から地謡座へ移動し、次の脇能が始まる。

高砂 たかさご
 九州の阿蘇の神主・友成が京に上る途中、播州高砂の浦に立ち寄る。老人夫婦に高砂住吉相生の松の謂われを尋ねると、老人は高砂を『万葉集』、住吉を『古今集』にたとえ、松の寿命が長いことから和歌の道の繁栄を寿ぎ、和歌の繁栄が平和の象徴であることを教える。松の功徳を語るうち、老夫婦は実は相生の松の精であると明かし、先に住吉に行きお待ちしようと言って、舟に乗って沖へ出て行ってしまう。
                                〈中入〉
 友成が住吉に着くと、和歌の神・住吉明神が現れて泰平の御代を祝福するのだった。

小塩 おしお
 京都下京あたりに住む男が、若い人達を連れて大原山へ花見に出かけた。この山は一名小塩山とも呼ばれ桜の名所である。と一人の老人が桜の花の枝を頭にかざし「年経れば齢は老いぬ然はあれど、花をし見ればもの思ひもなし」といかにもはなやいだ風情でやってくる。男が老人に声をかけると、老人は自分の姿が埋木のようだとしても心まで朽ち果てているわけではないと語り、桜の花に彩られた大原山の景色を賛美し、神代の事さえ想像出来ると話す。男が「大原や小塩の山もけふこそは神代の事も思ひ出づらめ」は誰の作かときくと老人は、それは二条の后がこの大原野にみえたとき在原業平が后との契りを思い出して詠んだものだと語り、涙ぐむ。男と老人は一緒に花見をして歩いているうちいつのまにか老人の姿は消えていた。   〈中入〉
 男は人々と花の陰に仮寝する。やがて夢の中に業平が「月やあらね春や昔のはるならぬ、わが身一つはもとの身にして」と歌いながら昔の姿で現れ、昔を思い、数多くの和歌を引用しながら恋の遍歴を回想し、舞を舞い、夢うつつのうちに姿は消え失せるのであった。

金札 きんさつ
 桓武天皇の臣下が、伏見の里に社殿造営の勅命を受け当所に着くと、天照大神の使者である天太玉命が弓矢を持って来現する。そして荒ぶる神々を鎮め、悪魔を弓矢で射払い、清めをなして神威を表す。やがて世が治まった証しに、弓絃を外し、剣を納め、平安を寿ぐ。
 観阿弥作曲の「伏見」の詞章を引いて作られた曲で、元は前段があり、金札が降り下る場面も描かれていたが、観世流では「岩船」と同じく後段だけにし、祝言の専用曲となった。

出演者紹介
CAST

片山九郎右衛門
Katayama Kurouemon
日本能楽会会員

河村 晴久
Kawamura Haruhisa
日本能楽会会員

茂山七五三
Shigeyama Shime
日本能楽会会員

観世 清和
Kanze Kiyokazu
日本能楽会会員

大江 広祐
Oe Kousuke