京都府次世代等古典芸能普及促進公演

観世青年研究能

公演日時:2023/08/05(土・SAT) 13:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 菊慈童    谷 弘之助
(狂言)棒 縛    島田 洋海
(能) 船弁慶    寺澤 拓海

入場料:【全席指定】 一般前売 ¥3,000
           一般当日 ¥3,500
           学  生 ¥1,500
    ※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

     【チケット発売】6月1日(木)


演目解説

菊慈童 きくじどう
 古代中国、魏の国の文帝の頃。酈県山(れっけんざん)の麓から霊水が流れ出るというので、勅使がその源を訪ねるべく、山に赴く。勅使は菊の花が咲き乱れる山中の庵に、一人の不思議な少年を見つける。「人間の住まぬこの山奥にいるお前は化生の者か」と尋ねると、「私は周の穆王(ぼくおう)に仕えていた慈童です」と答える。勅使は「周というのはもう数代も前の世だ」と驚く。話をきくと、彼は穆王に召使われていたとき、過って王の枕をまたぎ、その罰でこの山に配流されたが、少年に悪意のないことを知った王は、その枕に二句の偈(げ=仏徳を讃えた詩)を書き添えて与えた。少年がその文字を菊の葉の上に移し書くと、その葉の露が霊薬となり、それを飲んでいたため少年は七百年後までも若々しく生きながらえていたのだ。慈童自身も自分の長寿に驚き、楽しく舞を舞ったあと、寿命を君に捧げそのまま山中の仙家へと帰ってゆく。
 菊花の咲き乱れる神仙境に、清純な生活を楽しむ永遠の少年を主人公として、菊花のめでたさと不老長寿という人間の憧憬を描いた明るい作品である。

船弁慶 ふなべんけい
 源義経は平家追討に武功を立てたが、戦が終わると、かえって兄・頼朝から疑いをかけられ追われる身となっていた。義経は弁慶や従者とともに都を出て、摂津国・尼崎の大物浦まで落ちて来た。弁慶は静御前が一行に加わっているのを知り、義経をいさめ、同意を得て静御前の宿を訪ね、都へ帰るように伝える。静はこれを弁慶の一存であろうと誤解するが、直接義経からも帰ることを勧められ、やむなく別れの宴で悲しみつつも再会を信じて舞を舞い一行を慰め、泣く泣く都へ帰ってゆく。 〈中入〉
 やがて義経は大物浦から出船するが、にわかに風が変わり、船は荒波に揉まれ始める。船頭が必死に船を操っていると、西国で滅びた平家一門の怨霊が現れ、中でも知盛の亡霊が義経を海に沈めようと長刀で襲いかかってくる。義経は少しも動じず戦い、弁慶が数珠を揉んで祈祷すると、怨霊はついに祈り伏せられ、消え失せるのだった。
 前段の優麗・哀愁と、後段の勇壮・活発が対照的であり、見せ場の多い人気曲である。

出演者紹介
CAST

谷 弘之助
Tani Konosuke

島田 洋海
Shimada Hiromi

寺澤 拓海
Terasawa Takumi