京都観世会4月例会
Regular Performances (April)

公演日時:2024/04/28(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 箙          樹下 千慧
(狂言)栗 焼        善竹 隆平
(能) 熊 野        河村 晴道
      村雨留
(能) 須磨源氏       吉浪 壽晃
       窕
入場料:
一般前売指定席券※WEB        ¥8,500
一般前売自由席券          ¥6,500
一般当日券  (自由席)      ¥7,000
学生券    (2階自由席のみ)   ¥3,000

※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。

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   ◆例会会員入場券の年間会費◆
特別会員年間会費(会員券10枚)  ¥80,000
普通会員年間会費(会員券10枚)  ¥48,000
6回会員年間会費(会員券6枚)  ¥33,000

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普通会員様と6回会員様は、会員券1枚につき2,000円の追加料金で
WEBにて事前指定が可能です。
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演目解説

えびら
 春、西国方より都へ上る僧が、津の国生田川に着くと、有為転変を歎き生死の道に迷う風情の男と行き会う。僧は目前の梅について尋ねると、男は「箙の梅」であると答え、その謂れを語る。即ち、この生田での源平の合戦において、源氏の武将梶原源太景季は、色鮮やかな梅花を一枝折って箙に挿して戦ったところ、この花が笠印となり、名を揚げた。彼はこれを喜び、この梅を八幡の神木として敬した。以来名将の古跡の花として、箙の梅と言われるようになったのだ。男は更に、生田、一の谷、須磨の浦での源平の合戦の様を委しく語り、実は自分は景季の幽霊であると明かし、梅の木の下に消える。                         〈中入〉
 所の者より景季の物語を聞いた僧が、梅花の木蔭に伏して待つと、夢中に景季の霊が現れ、修羅道の苦しみを見せる。彼は僧との値遇を喜び、法味を得ようとするが、また辺りは修羅の巷と化す。そして箙に梅花を挿し、雅びた若武者の姿での奮戦ぶりを再現し、夜明けとともに夢と消えていった。

熊野 ゆや  村雨留   むらさめどめ
 平宗盛の寵姫・熊野のもとへ、故郷の遠江から朝顔が病母の便りを持参する。心弱くなっている母の様子に、熊野は宗盛にその手紙を披露して、母に会いたいと暇を乞うが宗盛は許さず、非情にも、花見の供を命じ、牛車で清水寺に向かう。途中、都大路の春景色にも熊野の心は母を案じて和(なご)まず、やがて下車をすると観世音に母の快癒を祈る。花の下では酒宴が始まり、熊野は心ならずも舞を舞わされるが、折しもにわかに村雨が降り出し、熊野は舞を中断し、「いかにせん都の春も惜しけれど馴れし東の花や散るらん」と、一首の歌を短冊にしたためて宗盛に差し出す。宗盛はさすがに哀れを感じて帰ることを許し、熊野は喜んでその場から故郷へと急ぎ出立するのだった。
須磨源氏 すまげんじ  くつろぎ
 日向の国の宮崎の社官藤原興範は、伊勢参宮を志し、浦々を長閑に旅し、摂津国須磨の浦に着く。樵の老人が桜を眺めているので、この花は故ある木かと尋ねると、老人はこれこそ名に負う若木の桜だと答える。興範に請われるままに老人は光源氏の生涯を語り、自分こそは『源氏物語』の主人公であるというや雲に隠れる。 〈中入〉
 興範が夜すがら奇特を待っていると、妙なる音楽が聞こえ、月の光輝く須磨の浦に光源氏の霊が天下って、青海波を舞い、夜明けとともに消えるのだった。

出演者紹介
CAST

樹下 千慧
Juge Chisato

善竹 隆平
Zenchiku Ryuhei
日本能楽会会員

吉浪 壽晃
Yoshinami Toshiaki
日本能楽会会員

河村 晴道
Kawamura Harumichi
日本能楽会会員