公演日時:2024/08/03(土・SAT) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 賀 茂 寺澤 拓海
(狂言)萩大名 山本 善之
(能) 胡 蝶 浅井 風矢
(能) 熊 坂 谷 弘之助
入場料:【全席自由】 一般前売 ¥3,000
一般当日 ¥3,500
学 生 ¥1,500
※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。
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演目解説
賀茂
室の明神に仕える神職が、室とご一体であるという都の賀茂明神へ参詣した。川辺に新しく祭壇が築かれ、白木綿に白羽の矢が立てられていたので不審に思い、水汲みの女性二人に尋ねると、その御矢は当社の御神体とも御神物とも崇めているものであると言い、そのいわれを語る。女は洛中洛外の川の名所を挙げつつ水を汲み神に手向け、やがて自分は神であると言い捨てて神隠れする。〈中入〉 やがて女体の御祖神、つづいて別雷神が出現して雷鳴をとどろかせ国土を守護する神威を示すのだった。
胡蝶
大和国・吉野の奥に住む僧が花の都を見物しようと上京し、一条大宮の辺りへやって来る。そこには由緒ありげな古宮があり梅が美しく咲いている。そこへ一人の女性が現れ、この御殿や梅の木について語るので僧が女の素性を問うと、自分は人間ではなく胡蝶の精だと言う。春、夏、秋と草木の花から花へと戯れる身だが早春の梅花とだけ縁がないのが悲しいので姿を変えておすがりし法華経の功徳を受けて成仏したいと願う。荘子が夢で胡蝶となった故事や光源氏が童に胡蝶の舞を舞わせ舟遊びをしたことなどを語り、夕空に消えてゆく。〈中入〉 木蔭で仮寝をする僧の夢に胡蝶の精が現れ、法華経の功力によって成仏し梅花と隔てのない間柄となったことを喜び、花に飛びかう胡蝶の舞をみせ、やがて春の夜明けの空に、歌舞菩薩の面影を残し、霞にまぎれて消えてゆく。
熊坂
旅僧が美濃国にて一人の僧に呼び止められる。「今日はさる者の命日」ゆえ弔ってほしいと言われ、その僧の草庵に案内される。持仏堂に入ると仏像などはなく、壁には大長刀、拄杖ではなく鉄の棒、その他武具がびっしりと置かれている。不審に思い問うと、この辺りは、山賊・夜盗が出没するので、通行人を危機から救うのだと言う。僧の身ながらあさましいことだなどと語るうち「おやすみあれやお僧たち、我もまどろまん」と寝室に入るかに見えた。と、今まで居たはずの庵室は草むらとなった。〈中入〉 旅僧はここで討たれた熊坂長範のことを里人に聞き、さては庵主の僧はその仮の姿であったかと思う。読経し回向すると熊坂長範の亡霊が長刀をかたげてノッシノッシと現れ、ここで吉次一行を襲ったが逆に牛若に討たれたことを仕方話で物語り、また回向を頼み松陰に消えてゆく。